7日午前、森谷靖さんという52歳のJOC経理部長が都営浅草線に飛び込んで自殺した。その2日前の6月5日夕方、TBSの報道特集で、オリンピック組織委員会の現役職員が、オリンピック経費の異常な使われ方について内部告白した。

 「組織委員会から業務を委託された広告代理店は下請けの業者に再委託を仲介するのみで、管理費という名目で10~15%のマージンを抜くのだそう」「国立競技場が会場の競技では、35億円が委託費として支払われるため、実際は3億5000万円ほど広告代理店の収入となります」。

 「委託された広告代理店」というのは電通のことだろう。内部告発した組織委員会の職員は、税金のこのような使われ方に「やるせないと言いますか、許せないと言いますか、ありえないことなんじゃないかと思います」と憤りををあらわにした、という。

 この番組が放映された直後にJOC経理部長が自殺。ネットでは同一人物ではないかという推測が流れた。しかし組織委員会とJOCでは別の組織なので、同一人物ではあり得ないということになっている。そうは言っても関連した組織であり、東京オリパラの財政に深く関わっていることでは無関係とは言えまい。メディアはその辺をもう少し詳しく調べて報道すべきではないか。どうも森谷さんの自殺についてのメディアの扱いは異常に淡白のような気がする。