11日付『毎日』オピニオンページ。「中国海警法と海洋進出」というテーマで3人の識者?が持論を述べている。その1人、自民党外交部長の佐藤正久は「(中国による)南シナ海の聖域化が終われば、次は・・・東シナ海だ」として「今のうちの体制強化」を訴えている。

 「(日本による)実効支配の強化は、中国との間で波風が一定程度立つだろうが、比較的立ちにくい分野から進めていけばよい。例えば灯台の設置だ。魚釣島には国内の政治団体が設置した灯台があり、現在、海上保安庁が管理しているが、中国は非難していない。航行の安全のためにもっとしっかりした灯台を造るべきだ。他にも通信設備の設置や希少動植物の調査、島の詳細な地形図の発信など行政の力でやることはたくさんある」。

 まるで泥棒猫の手法伝授だ。いましなければならないのはそんな姑息な手段を弄するのではなく、正面切っての堂々たる論戦ではないか。アメリカと一緒になって中国に対する武力行使を狙うなどもってのほかだ。佐藤正久程度の男を外交部長に据えている自民党の体質が問われている。